
バレエをずっとやってきたから、バレエ講師になりたいけれど、給料がどれくらいなのか気になる…。
少なかったらどうしよう…。
そんな方もいるでしょう。
そこで今回は、バレエ講師の給料相場をパターン別に紹介します。
給料を上げる方法も記載したので、ぜひ参考にしてください。
バレエ講師の給料相場

バレエ講師の給料について解説しますが、バレエ講師とひと言で表現しても、さまざまなタイプの講師がいます。
ここではバレエ講師のタイプ別に給料を紹介します。
バレエ講師のタイプは次のとおりです。
- 正社員のバレエ講師
- フリーランスのバレエ講師
- 開業バレエ講師
- バレエ学校の講師
正社員のバレエ講師
正社員のバレエ講師の給料相場は、月20万円から30万円です。
ヒップホップ、ジャズダンスなどさまざまなダンスクラスを用意している大きなダンススクールの場合は、バレエレッスンはごく一部に過ぎず、バレエ講師が正社員として働くことは少ないです。
しかし、バレエ専門のスクールであれば、バレエ講師でも正社員になることができます。
正社員のバレエ講師の場合は、バレエレッスンで指導をする以外の業務があります。具体的には次のような業務です。
- 受付業務
- 顧客管理
- アルバイトスタッフの教育
- シフト管理
- 発表会の手配(衣装の用意、ホール予約、プログラム作成)
- 振り付け考案
- スタジオの設営
- 教室運営管理
上記のようなレッスン以外の業務もあるのです。
そのため、アルバイトと比較すると正社員のバレエ講師は仕事時間が長く、給料も多い傾向にあります。
フリーランスのバレエ講師
フリーランスのバレエ講師の給料相場は、10万円から40万円です。
フリーランスは、高いスキルを求められるため、1回あたりのレッスン単価がアルバイトよりも高い傾向にあります。
フリーランスの場合は、単発で働くことが多く、「月曜日はAスタジオでレッスン、火曜日はBスタジオでレッスン」というように、自分のライフスタイルに合わせて働くことができるのが特徴です。
フリーランスの場合は、働いた分だけ給料(報酬とも呼びます)となります。たくさん働いた月は、その分だけ給料が高いです。
極端な例ですが、フリーランスの場合は労働基準法が適用されないため、週7で働くことも可能で、その場合は給料が正社員よりも高額になるのです。
反対に、「あまり仕事が入らなかった」という月であれば、給料は10万円前後と低くなることがあるでしょう。
フリーランスの給料は、不安定なことが特徴です。
自分のクラスを受け持っているバレエ講師であれば給料は安定しやすいですが、単発でレッスンをするようなフリーランスのバレエ講師であれば、仕事の依頼が来なくなると給料が減ることがデメリットです。
開業バレエ講師
開業バレエ講師の給料相場は、15万円から30万円です。
まず開業バレエ講師について解説します。
こちらは個人事業主として働くフリーランスと似ていますが、特徴としては「鈴木花子バレエスクール」のように自分のスタジオを持つバレエ講師のこと。
自宅をバレエスタジオとして開業している人や、スタジオを借りて開業しているバレエ講師もいます。
いわゆる個人のスクールですが、こちらは経営状況によって給料(報酬)が異なります。
自宅で開業しているバレエ講師であれば、スタジオレンタル料はかかりませんが、自宅をスタジオにするための改築費がかかっていることもあります。
自宅兼スタジオを開業している小さなスクールだと、なかなか集客ができないこともあり、経営赤字になる可能性も。
スタジオを借りているスクールであれば、スタジオの賃料がかかります。
大規模なバレエスクールのように名前が広く知れていないと集客が思うようにできずに収入につながらないこともあるでしょう。
バレエ学校の講師
バレエ学校のバレエ講師の給料相場は、10万円から25万円です。
フリーランスとしてバレエ学校で講師をしている場合は、1コマのみを担当することもあるでしょう。
たとえば「バレエ史」、「バレエストレッチ」のみを担当するなどです。
この場合は勤務数が少ないため、給料は10万円前後と低くなります。
正社員としてバレエ学校で授業をする場合は、20万円から25万円ほどが給料相場となります。
バレエ講師の給料はなにで決まるのか

さて、ここまでバレエ講師の給料相場について解説しましたが、そもそも給料がなにで決まるのか解説します。
これまでのキャリア
バレエ講師の給料は、働き方によって差はありますが、これまでのキャリアが重要と言われています。
具体的には以下の点が関係しています。
・バレエ団に所属していたか
・プロとしての経験
・バレエ団内でのポジション
・指導経験の有無
外部講師の場合はキャリアで給与が決まることも多いため、レッスンの単価を上げる手段としてバレエ団を経験している方が単価交渉しやすいと言われています。
また、バレエ団で何年経験を積んだのか、ポジションはどこだったのか等も給料には大きな影響を与えます。
ポジションについては、プリンシパルとコールドでは単価が何倍も変わってくるため、給料アップのためにもバレエ団での価値を高める必要があるでしょう。
たとえば「〇〇バレエ団元団員」、「〇〇コンクール入賞」など輝かしい経歴の人がバレエ講師になることもあるでしょう。
この経歴を汲んで高い給料を設定するスクールもあるかと思いますが、「よいダンサー=よい講師」とは限りません。
ただし、有名バレエダンサーが講師として働いているということは、よい集客にもなります。
それで生徒数が増えた場合は、給料として還元されることになります。
スクールへの貢献度
バレエ講師の給料は、スクールへの貢献度で決まることも多いです。
- 集客を頑張って生徒数を増やした
- 新しい企画を提案して生徒数増加につなげた
- 発表会運営を頑張って成功に導いた
- 生徒をコンクール入賞に導いた
- 生徒やその保護者からの評判がとてもよい
上記のようなことはスクール貢献度として評価され、給料に影響が出ます。
先述したように、現役時代に実力があるバレエダンサーだったとしても、スクールに貢献していなければ講師としての給料は低くなるでしょう。
バレエダンサーとしての実績があまりなくても、講師としてスクールに貢献できれば高い給料が得られる可能性があるのです。
バレエ講師の給料は低い?

ここまでバレエ講師の給料相場を紹介しましたが、「他の職業と比べて給料が低いのでは?」と感じた方もいると思います。
給料が低いと言われる主な3つの原因を解説します。
働く時間が短い・レッスン数が限られているから
バレエ講師の働き方は、フリーランスやアルバイト・パートが多く、フルタイムで働くことが難しいという点が給料の低さに直結しています。
例えば、子どもを対象とするクラスは学校が終わる16時以降に集中します。
大人のクラスも夜や土日がメインです。
そのため、朝から晩までクラスが詰まっているスクールは少なく、仮にクラスがあったとしても担当する講師は時間帯によって異なることがほとんどです。
結果として講師一人あたりの労働時間が短くなるため、必然的に年収も低くなる傾向にあります。
「バレエは趣味」という考えが根深いから
日本では、バレエはプロの職業というよりも、「習い事」や「趣味」の延長として捉えられることのほうが圧倒的に多いです。
一流のバレエダンサーでさえ、海外に比べて満足な給与が得られない現状があります。
その指導者であるバレエ講師も、専門的な職業として十分な対価を得にくい環境にあるのです。
「バレエ=趣味」という社会的な認識が、レッスン料や講師の単価が上がりにくい一つの理由となり、業界全体の収入水準を下げていると考えられます。
教室の経営難で人件費に余裕がないから
特に生徒数30名程度の小規模なバレエ教室の場合、月謝収入からスタジオの家賃、光熱費、発表会の準備費用などを差し引くと、講師の給料(人件費)に回す余裕がないことが多いです。
例えば、生徒30名から月謝1.5万円を受け取っても、総売上は月45万円程度です。
ここから広いスタジオの家賃や諸経費、アシスタントへの報酬を払うと、講師自身が得られる報酬は少なくなってしまいます。
このように、バレエ教室の経営自体が厳しいケースが多いため、講師の働きに見合った給料を払いたくても払えないという実情も、給料が低い要因となっています。
バレエ特有の設備・コストが高いから
「バレエは月謝が高いのに、どうして給料が低いの?」と感じた方も多いのではないでしょうか。
「バレエは月謝が高い」というイメージの裏側には、バレエ特有の高い設備維持費とイベントコストが存在します。
特に重要なのが「床」です。
バレエダンサーの怪我を防止するため、床にはリノリウムと呼ばれる「バレエ専用床」が必要とされ、この設備の導入・維持に高額な費用がかかります。
これは、普通のダンススタジオや一般的な習い事の教室とは一線を画するコストです。
また、定期開催される「発表会」も大きなコスト要因です。
大規模なホールを借りる費用、華やかな衣装代、舞台監督や照明・音響スタッフへの人件費などが発生するため、その準備費用を月謝収入から積み立てていく必要があり、結果として人件費を含む日々の運営資金を圧迫する理由の一つとなっています。
バレエ講師の給料をアップさせる方法

バレエ講師の給料をアップさせる方法を紹介します。
おすすめの方法は次のとおりです。
- 給料アップの交渉をする
- プライベートレッスンをする
- スクールの掛け持ちをする
- 独自のバレエジャンルを作る
- YouTubeチャンネルを開設する
- オンラインレッスンをする
給料アップの交渉をする
バレエ講師の給料を上げる方法1つめは、給料アップの交渉をすることです。
スクールの責任者や人事に「給料を上げてほしい」と相談をしましょう。
しかし、自分の要求だけを伝えても給料アップにはつながりません。
おすすめは給料アップする価値のある証拠を資料として用意することです。
「生徒数が〇人から〇人になった」、「自分が担当してからコンクールに〇人入賞した」というように、数値化できる実績を資料として提示して、給料アップの交渉をしましょう。
ただし、スクールの経営難が原因で、給料を上げたくてもできない場合があります。
交渉をしたからといって、必ずしも給料が上がるわけではないことを理解しておきましょう。
プライベートレッスンをする
バレエ講師の給料を上げる方法2つめは、プライベートレッスンをすることです。
プライベートレッスンとは、個人レッスンのこと。
プライベートレッスンは1回あたりの単価が高いのが特徴です。
コンクール前、発表会前に需要があるので、プライベートレッスンをすると給料アップにつながります。
ただし、スクールではプライベートレッスンを許可していないこともあります。(スクール外でのレッスンはご法度とされることがほとんどです)
プライベートレッスンをする場合は、スクールの許可を得ましょう。
スクールの掛け持ちをする
バレエ講師の給料を上げる方法3つめは、スクールの掛け持ちをすることです。
正社員のバレエ講師がスクールを掛け持ちすることは難しいですが、アルバイトやフリーランスであれば掛け持ちがしやすいです。
掛け持ちすることで、仕事が増えて給料アップにつながります。
「Aスクールではキッズクラスを担当、Bスクールではバレエヨガ、Cスクールではおとなバレエ」のように複数のスクールで働くことで、給料を増やすことができますが、スクールによっては掛け持ち不可とすることもあり得ます。
競合他社で働くことを禁止している場合も多いので、ご注意ください。
独自のバレエジャンルを作る
バレエ講師の給料を上げる方法4つめは、独自のバレエジャンルを作ることです。
クラシックバレエ、モダンバレエは人口が多く、バレエ講師もたくさんいるため、なかなか仕事が見つからないこともあります。
そこで、自分独自のバレエを始めてみませんか。
美容バレエ(美容を目的としたバレエ)、なんちゃってバレエ(ポジションを重視しすぎず、有名音楽に合わせて楽しく踊るバレエ)、ヨガバレエ(ヨガを取り入れたバレエ)など、バレエから派生したジャンルはたくさんあります。
ぜひ自分で新しいジャンルを作ってみませんか。
YouTubeチャンネルを開設する
バレエ講師の給料を上げる方法5つめは、YouTubeチャンネルを開設することです。
バレエを学んでいる人は、少しでも上達するために、YouTube動画でも学習しようとしています。バレエのチャンネルを作り、次のような動画をアップすることで、広告収入が得られるでしょう。
- 足のポジションの解説
- パの解説
- バレエ史の解説
- バリエーションのコツの解説
- トウシューズの選び方の解説
まだ、バレエ講師の本音を動画でアップするユーチューバーもいます。再生回数が増えれば、収入が増えるため、給料アップにもなるでしょう。
ただし、YouTube動画は生徒やその保護者が見ることもあります。再生数を稼ぎたいあまり、本音を話しすぎる、口が悪くなる、ハイテンションになりすぎることは注意が必要です。
生徒や保護者が見ても安心できるチャンネルを心がけましょう。
オンラインレッスンをする
バレエ講師の給料を上げる方法6つめは、オンラインレッスンです。
現在はオンラインレッスンが流行っています。Zoomを使って遠方にいる生徒にレッスンをするのもよいでしょう。
ただし、個人間での金銭の授受はトラブルのもとになります。
トラブル予防のためにも、規約をあらかじめ決めておきましょう。
まとめ
バレエ講師の給料について紹介しました。
正社員は20万円から30万円、フリーランスは10万円から40万円、開業バレエ講師は15万円から30万円、バレエ学校の講師は10万円から25万円が相場です。
給料はバレエの実績ではなく、スクールへの貢献度で決まることがほとんど。
給料をアップさせる方法は、次のとおりです。
- 給料アップの交渉をする
- プライベートレッスンをする
- スクールの掛け持ちをする
- 独自のバレエジャンルを作る
- YouTubeチャンネルを開設する
- オンラインレッスンをする
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