将来に不安を抱く子どもたちがいます。我が子には希望を持って生きて、いつか自立をしてほしいと願う保護者がほとんどでしょう。
そこで今回は、将来に不安を感じる子どもに対して保護者ができることを解説します。
将来に不安を抱く子どもの割合などの統計データも記載したので、ぜひ参考にしてください。
目次
子供の将来に対する意識はどんなものなのか
子どもは将来をどのように考えているのでしょうか。
内閣府が実施した「子供・若者の意識に関する調査(令和元年度)」によると次のような結果になっていました。
13歳から29歳の子ども・若者で将来に「希望がある」と回答している割合は多くても24.6%です。
「15歳から19歳」で将来に「希望がある」若者が多い理由は、就職や進学が背景にあるでしょう。自分の希望する高校や大学に希望を抱いている子どもが多いことが考えられます。
しかし、20歳以降になると、将来に希望を持つ若者の割合は下がります。
就職先が見つからないことや、賃金の低さも関係しているのでしょう。
次に、将来のイメージについての調査結果を見てみましょう。「40歳くらいになったときに、自分はどうなっていると思うか」と質問をした解答は次のようになっています。
「お金持ちになっている」という問いに対して「そう思う」と回答した割合は、11.0%と低く、子どもや若者がお金に対する不安を抱いていると言えます。
近年は、生活必需品の値上げが増えていて、値上げに関するニュースも増えています。このことも背景にあると言えるでしょう。
また注目すべきは、「幸せになっている」という問いに対する答えです。
子ども・若者の37.9%は、自分が40歳になったときに幸せになっていないだろうと考えていることがわかりました。
年齢別に見ると、次のようになっています。
20歳以降になると、自分が40歳になったときに幸せになっていないと思う割合が4割を超えています。
20歳から29歳は就職している割合が高く、現在の仕事への不満も背景にあると考えられます。
現在の仕事に満足ができず、「この会社で働き続けても、幸せにはなれないだろう」と考えている若者がいると推測できます。
将来が不安な子どものためにできること
将来に不安を抱く子どもは、少なくはありません。
希望を持って社会に出るために、保護者としてできることをまとめていきます。
将来が不安な子どもに対して保護者ができることは次のとおりです。
- 不安を抱く原因を探る
- 子どもの個性を受け入れる
- 失敗してよいことを伝える
- お金に関する不安を口にしすぎない
- 子どもと将来について話す
- 幸せな人生は人それぞれ違うと伝える
- 辛いことからは逃げてもよいと伝える
- 常に家族は味方だと伝える
将来が不安な子どもにできること|不安を抱く原因を探る
将来が不安な子どもに保護者ができることは、まず不安を抱く原因を探ることです。
何が子どもを不安にさせているのか、子どもから聞き出すことをおすすめします。
将来に不安を感じる要素は複数あります。
- 学業に対する不安がある
- やりたいことがなくて漠然とした不安がある
- 志望校に合格できるか不安がある
- お金に対する不安がある
- 社会に受け入れられるか不安がある
などです。
子どもにどんな不安があるのか、探ってみてください。
将来が不安な子どもにできること|子どもの個性を受け入れる
将来が不安な子どもに保護者ができることは、子どもの個性を受け入れることです。
自分の特性を受け入れてもらえるのだろうか、という不安を抱く子どももいます。学校でトラブルを経験したことがある子どもの場合は、それがトラウマになって進学先や就職先でも同じような経験をするのではないか、と不安を抱きやすいのです。
子どもの個性を受け入れて、そのままでもよいということを伝えましょう。
将来が不安な子どもにできること|失敗してもよいことを伝える
将来が不安な子どもには、失敗してもよいことを伝えてください。
失敗を恐れて不安を抱いている可能性があります。
完璧主義な子どもの場合は、特にこのような傾向がありますが、失敗はしてもよいことを伝えましょう。
失敗を恐れて努力や挑戦を避けるのではなく、まずはチャレンジしてみることが大切だと伝えてください。その結果として失敗をしても、そこからは学びがあるということも教えましょう。
将来が不安な子どもにできること|お金に関する不安を口にしすぎない
頻繁に「うちはお金がないから」、「お金が払えない」と口癖のように言うと、子どもが不安を抱くことがあります。
幼い子どもの場合は、「うちはお金がないんだ…大丈夫かな」と不安を感じることもあるため、注意が必要です。お金に関する大袈裟な表現はしすぎないようにしましょう。
将来が不安な子どもにできること|子どもと将来について話す
将来が不安な子どもには、一緒に将来について話しましょう。
漠然となにをしたらいいかわからない子どもの場合は、将来が見えずに不安を感じることがあります。保護者の体験を伝えるのもよいでしょう。
「パパは〇歳で大学に進学をして、こんなことをしたよ。
〇歳で会社に入って、こんな人生を送ったよ」と実体験を伝えてください。
そして子どもに「じゃあ〇〇ちゃんは将来どんなことをしたい?」と聞くことをおすすめします。
将来が不安な子どもにできること|幸せな人生は人それぞれ違うと伝える
将来に不安を抱く子どもにできることは、幸せは人それぞれ違うと伝えることです。
幸せの形が人それぞれ違うということは、おとなになった保護者であれば理解しているかと思います。全員が同じ人生を歩むわけではありません。
幸せの形も人それぞれです。
学生の場合は、受験に合格すること、よい学校に進学し、有名企業に就職することが幸せだと強く考えていることがあります。
子どもには、幸せに決まりがないと伝えてください。幸せの定義は、年齢や時期によっても変わってくることも伝えましょう。
将来が不安な子どもにできること|辛いことからは逃げてもよいことを伝える
将来が不安な子どもには、辛いことからは逃げてもよいとも伝えてください。
困難に立ち向かって乗り越えることも素晴らしいですが、自分の心を守るために逃げることも大切です。
辛いことがあれば、逃げてもよいと伝えてください。保護者に実体験があれば、当時のことを話すこともおすすめです。
将来が不安な子どもにできること|常に味方でいると伝える
将来が不安な子どもにできることは、家族は常に味方だと教えることです。
社会に出たらひとりで生きていかなければいけない、家族には頼れない、成功しなくてはいけない、などと考えている子どももいます。
失敗はしたってよいと伝えた上で、なにがあっても家族は味方だと話してください。
辛いときは家に帰って来ていい、逃げてもいい、家族は批難せずにいつも味方として受け入れることを伝えましょう。
不安になるのはよくないことなの?
「将来に不安になる子どもが心配だけど、そもそも不安についてよく理解していないかも」と思いませんか?
不安について知ることで、子どもをより理解できます。
以下からは、不安について解説します。
そもそもなぜ不安ってなに?
不安や恐怖といったネガティブな感情は、脳の扁桃体によって引き起こされます。
扁桃体は感情系の中心であり、危険を察知して私たちの命を守るための本能的な役割を担っています。
特にポジティブな感情よりもネガティブな感情に敏感で、危険な状況に対して鐘を鳴らし、それを記憶と結びつける機能を果たします。
幼児期から暗闇や、犬などの動物、おばけなど特定のものに対しての不安を感じ、段々と死への恐怖や、小学校に通い始めると人間関係など目に見えないものまで不安な対象は広がります。
このような扁桃体の働きは、動物として身を守るために重要なシステムとされ、生まれながらにして誰もが持っている能力です。
ネガティブな感情は悪いこと?
子どもが感じる不安や恐怖といったネガティブな感情を「悪いもの」として捉えていませんか?
例えば、子どもが「怖い」と言ったときに「怖くないよ」や「そんなこと言わないで」と返すと、子どもの感情を否定することになります。
しかし、感情には「快」「不快」があるだけで、「良い」「悪い」という分類は不要です。
子どもがネガティブな感情を抱くことを悪いことだと学習してしまうと、自分を否定し、「こんな感情を持つ自分はダメだ」と自己肯定感が低くなる可能性があります。
特に、不安が強い子どもはその影響を受けやすいので、感情を受け入れる対応が重要です。
また、脳の前頭前野の発達度合いの関係で、大人よりも子どもの方が不安を感じやすいです。
ネガティブな感情について正しく理解して、子どもの感情を否定しないように注意しましょう。
不安が強いことのメリットってあるの?
「不安」というとネガティブな印象がありますが、不安を感じることにはメリットもあります。
不安が強い人は、ミスを避けるために仕事を丁寧に確認することが多く、正確な作業を行える傾向があります。
また、将来のリスクを予測する能力が高いので、余裕をもって準備や対策をしてミスやトラブルを防ぎ、目標を達成する確率が上がります。
しかし、完璧主義で不安が強すぎると、締切に遅れてしまうなどの問題が発生することもあります。
また、失敗を恐れて、過剰に心配になり、なかなか新しいことに挑戦でないこともあるでしょう。
例えば、学生であれば、将来の進路に対して自分のやりたいことよりも、安定や将来性を重視し、一般的なルートから外れることは不安要素になりやすいです。
適度な不安は役立つものの、そのバランスが重要です。
将来が不安な子どもがやるといいこと
ここからは保護者の対応ではなく、子ども自身がするといいことを解説いたします。漠然とした不安を解消できるかもしれません。
将来が不安な子どもがやるといいことは以下の通りです。
- 職業体験をさせる
- 読書をさせる
将来が不安な子どもにできること|職業体験をする
希望する仕事がなくて、漠然と将来に不安を感じている子どもには、職業体験がおすすめです。
おすすめはキッザニアです。3歳から15歳までが楽しめる施設で、職業体験をすることができます
。通常は15歳までですが、中高生向けのワークショップを開催することもあるので、ぜひ子どもを参加させてみませんか。
フューチャー イノベーション フォーラムの調査結果によると、職業体験プログラムに参加後に、54.4%の子どもに進路や就職に対する考えに変化があったそうです。
参考:フューチャー イノベーション フォーラム「職業体験プログラム参加5~10 年後の追跡調査 54.4%がイベントでの経験がその後の進路や就職に対する考えに影響」
将来どのような仕事に就いたらいいのかわからない子どもや、将来の夢がみつからない子どもに、職業体験をさせるのもよいでしょう。
アルバイトができる年齢になったら、仕事をさせて、働くとはどんなことなのかを教えることもおすすめです。
アルバイトからスキルを得ることができ、それが自信へとつながり、不安も軽減されるでしょう。
将来が不安な子どもにできること|読書をする
将来が不安な子どもにできることは、読書をさせることです。
知識不足で将来に対する不安を抱くことがあります。
知識を身につけるために、たくさん読書をさせるとよいでしょう。
自己啓発本であればスキルを身につけることもできます。
子どもが興味のある分野の本を購入してください。
不安を軽減!ポジティブになれる活動
将来に不安を感じる子どもたちにとって、日々の活動や遊びからポジティブな考え方を身につけられたらいいですよね。
ポジティブになれるいくつかの活動を紹介します。
スポーツや運動
スポーツや運動は、身体を健康に保つだけでなく、思いきり体を動かすことで、不安感に繋がりやすいストレスを軽減することができます。
また、スポーツでの成功体験は自己肯定感を高め、「自分はこんなことができるんだ!」と自信を持って、将来への希望を見出すきっかけともなります。
スポーツを通して心も体も成長し、前向きに考える力を養っていけます。
音楽やダンス
音楽やダンスは子どもが感情を表現し、ストレスの軽減に役立ちます。
習い事として通っていなくても、日常にはたくさんの音楽があふれています。
リズムに乗って体を動かしてみたり、歌詞に共感したり、それぞれが自分に合った楽しみ方ができます。
自由に表現して受け入れてもらう、喜びや楽しさを感じることで自然とポジティブな感情になるのではないでしょうか。
アートやクラフト
絵をかいたり手芸・工作をすることは子どもの創造性を発揮させ、自己表現を促す素晴らしい方法です。
正解がないアートやクラフトは、子どもが好きなように考え、集中して取り組むことで、不安を忘れて楽しめる活動です。
また、自分の手でつくりあげた作品を見ることで、満足感や達成感を得ることができます。
自然とのふれあい
散歩やハイキング、キャンプ、ピクニックなど自然とのふれあいもおすすめです。
ゲームやインターネットなど、デジタルな情報社会で生きる今の子どもたちにとって、デジタルから離れ、自分の手や目で感じる自然はとても素晴らしい刺激となります。
草花や虫を観察して新しい発見をしたり、風のにおい、季節の移り変わりを感じるなど、リフレッシュをして気持ちを前向きにできるのではないでしょうか。
また、地球環境がよくなる行動を知ることで、将来への希望を抱けるかもしれません。
子どもが将来を不安視しないためには
子どもが将来が不安・・・と考えてしまうのは、もしかしたら保護者の言葉や環境によるものかもしれません。
的確で心に沁みる親の言葉は、子どもの人格形成に大きく影響し、その後の人生を左右します。
子どもの将来の夢を聞き、夢を叶えるためには何が必要か一緒に調べることや考えることも、将来に対して前向きに考えられるようになるでしょう。
目標があることで勉強に身が入るようになるかもしれませんね。
まとめ
将来に不安がある子どもへの対処法を記載しました。
内閣府の調査では、将来に不安を抱くこともがたくさんいることがわかっています。
自信を持って社会に出て行くためにも、不安が軽減できるようにサポートしましょう。
おすすめの方法は次のとおりです。
- 不安を抱く原因を探る
- 職業体験をさせる
- 子どもの個性を受け入れる
- 読書をさせる
- 失敗してよいことを伝える
- お金に関する不安を口にしすぎない
- 子どもと将来について話す
- 幸せな人生は人それぞれ違うと伝える
- 辛いことからは逃げてもよいと伝える
- 常に家族は味方だと伝える
生活必需品の値上げ、就職難、世界情勢などニュースから不安を抱く子どももいます。
子どもが過度に心配しないよう、情報をコントロールすることも重要です。
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